アストンマーティン・レーシング、ルマン24時間レースでクラス優勝

2017 World Endurance Championship Le Mans 13-18th June 2017 Le Mans - France Photo: Nick Dungan / Drew Gibson Photography

6月18日、第85回ルマン24時間レースが開催され、アストンマーティン・レーシングは、ジョニー・アダム(英)が最終ラップで首位を奪うという劇的なフィナーレで、この栄光の耐久レースのGTE Proクラスで優勝を飾りました。

ジョニー・アダム(英)/ダレン・ターナー(英)/ダニエル・セラ(ブラジル)組のアストンマーティンV8 Vantage GTEは、最後の一瞬まで勝利をあきらめることなく、完璧なレースを展開しました。

ジョニー・アダムは、残り45分の時点で、63号車のコルベットとまったく同じタイミングで、最後の給油を行うためにピットイン。両マシンは同時にピットを離れ、アダムは僅差の2番手でコースに復帰。コース上でコルベットを抜かないかぎり、優勝はできないという状況に追い込まれました。

この最終スティントで、他のライバルと抜きつ抜かれつのバトルを演じた後、最後から2周目のラップのスタート/フィニッシュラインで63号車のコルベットをオーバーテイクすることに成功。コルベットは、その後、後方から迫ったスコット・ディクソンのプレッシャーを受けてムルサン第2コーナーでアウトにふくらみ、スローパンクチャーを引き起こしてペースダウン。アストンマーティンの勝利が確実なものとなりました。

ジョニー・アダムは次のようにコメントしています。「ダニエルとダレンは、より上位のマシンと互角に戦っていました。それは、なによりマシンが非常に良く仕上がっている証拠でもあります。彼らは本当にマシンをうまく操っていました。私たちは、いっさいミスを犯さずに、なるべくピットインしないでコース上にとどまり、レース全体を通して一定のペースで走ることを心がけました。しかし、最後のスティントは、非常に厳しい展開となりました。最後のピットストップを終えてピットレーンを出るときに、もう少しでコルベットの前に出られそうだったのですが、先を越されてしまいました。その後、最大でマシン6~8台分くらいの差が開いてしまいましたが、決してあきらめませんでした。コルベットは、いくつかのコーナーで、我々のマシンよりも遅かったので、そこで抜くしかないと思っていました。彼のマシンに追い付いたとき、ルマンで優勝するチャンスはここしかないと確信しました。そして、最後の最後についにコルベットをパスし、フィニッシュラインを通過して、グランドスタンドの大勢のファンやピットウォールのチームに祝福されました。本当に素晴らしいレースでした。」

木曜日に行われた予選で、GTEクラスの予選タイム・レコードを更新し、2007年と2008年のアストンマーティンDRB9での優勝に続き、今回で3回目のクラス優勝を果たしたダレン・ターナーは、次のように語っています。「どれだけ準備をしたとしても、レースでは常に激しいバトルになるし、実際、レース序盤からそういう展開になりました。レースでは、GTE Proクラスに参戦したあらゆるメーカーのマシンが首位を奪い合う展開となりましたが、アストンマーティン・レーシングのVantageは、常にトップグループを走行していました。ジョニーは、最終スティントで本当に素晴らしい走りを見せてくれました。ダニエルも、ルマン初参戦ということを考えると、称賛に値します。最高のチームメイトに恵まれました。チームのスタッフも、夜を徹して素晴らしい仕事をしてくれました。このチームに一員になれて、本当に光栄です。今回の優勝は、勝利を目指して歩んできたチームの努力の賜物です。チームの全員が表彰台に登壇できなかったのは残念ですが、この表彰台は、これまでのレース人生で最高の勝利です。個人的に、今回のレースは、これまででもっとも過酷なルマンでしたが、その分もっとも酔いしれることができた勝利でした。」

ルマンに初参戦し、GTEクラスのラップ・レコードを叩き出したダニエル・セラは、次のようにコメントしています。「この気持ちを、なんと表現したらよいのか分かりません。今回は初めてのルマンにもかかわらず、ポールポジションからスタートできたことは驚きでした。ラップ・レコードも更新して、最終ラップで勝利を決めることができて、まるで夢のようです。ルーキーで、しかもルマン初参戦の僕を信頼してくれた、アストンマーティン・レーシングに感謝します。そして、親身になって僕をサポートし、ルマンでなるべく速く走るコツを教えてくれたジョニーとダレンにも本当に感謝しています。とくにかく、今は嬉しい気持ちでいっぱいです。この気持ちをどう表現してよいか分かりません。モータースポーツ最大のレースで勝利するなんて、すごいことです。」

アストンマーティン・レーシングのチーム代表、ポール・ハワースは次のように述べています。「アストンマーティン・レーシングとすべてのパートーナーを代表する者として、言葉にならないほど嬉しく思っています。アストンマーティンは、この特別なレースにおいて栄光の歴史を誇っています。今回、97号車がGTE Proクラスで優勝できたことは、チームスタッフの全員が、このサーキットとレースのために、数多くの努力を重ねてきたことの証となるものです。」

今回の結果について、アストンマーティン社長兼最高経営責任者(CEO)のアンディ・パーマーは、次のように述べています。「今日の勝利に貢献したすべての人々を誇りに思います。耐久レースの頂点に君臨するルマン24時間で優勝できたことは、チームおよびV8 Vantage GTEの非常に高いクオリティを証明するものです。ダレン、ジョニー、そしてダニエルの勝利は、この有名なレース史に残る最高のトリオのひとつとして、歴史に刻まれると確信しています。世界耐久選手権の残りのレースでも、彼らが素晴らしい結果を残してくれることを願っています。」

この素晴らしい結果は、アストンマーティンの最新モデル、Vantage AMRスペシャル・エディションが発表された翌日に達成されました。今年のジュネーブ・モーターショーで発表された、アストンマーティンのAMRパフォーマンス・ブランドは、アストンマーティン・レーシングによるFIA世界耐久選手権への参戦を通じて、レースから直接インスピレーションを受けたロードカーを製作することによって、アストンマーティンが誇るスポーツカーのラインナップを強化するものです。

アストンマーティン・レーシングは、7月16日(日)に開催されるFIA世界耐久選手権、ニュルブルクリンク6時間レースに再び参戦します。

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2017.06.20