FIA世界耐久選手権(WEC)第2戦の富士6時間耐久レースが開催され、アストンマーティンVantage GTEが、GTE ProクラスとAmクラスの両方で初のダブル・クラス優勝を成し遂げました。アストンマーティンにとって、ダブル・クラス優勝を挙げたのは、2016年のメキシコ以来です。
95号車のアストンマーティンVantage GTE Proマシンのステアリングを握る、マルコ・ソーレンセン/ニッキー・ティーム組は、完璧な判断とパフォーマンスで、2019-2020シーズン初勝利を挙げました。Vantage GTEにとっては、このニューマシンが2018年5月に投入されて以来、2勝目となります。一方、GTE Amクラスでは、ポールポジションからスタートしたTF Sportが、圧倒的な速さでポール・トゥ・ウインを飾りました。
ソーレンセンは3番グリッドからレースをスタート。Proクラスで上位争いを展開する3メーカーのマシンによる戦いの中で、スタート1時間経過後には2番手に浮上。さらに、メインストレートでスリップストリームを使ってトップに躍り出ると、95号車のソーレンセン/ティームのデンマーク組がレースをコントロールします。
その後、95号車とは異なる戦略を採用した、アレックス・リン(英)/マキシム・マルタン(ベルギー)組の97号車が一時的に首位に立ちますが、断続的に雨が降る中で完璧な走りを見せたデンマーク組が再びレースを支配します。最終的に、リン/マルタン組のVantage GTEは3位でフィニッシュし、GTE Proクラス初のダブル表彰台を獲得しました。
ティーム/ソーレンセンのデンマーク組にとって今回の優勝は5度目となり、過去6戦のWECでも3回の勝利を収めています。今回の優勝によって、ティームとソーレンセンは、GTE Proクラスのドライバー・ランキングでトップとわずか1ポイント差の2位につけています。マニュファクチャラーズ・ランキングでも、合計65ポイントを獲得したアストンマーティンは2位となっています。
「このような勝利を収めるために、これまで努力を続けてきました」と、ソーレンセンはコメント。「レースの最初の1時間でトップ争いに加わることができて良かったです。首位に立ってからは、あっという間にレースが終了したように思えました。これは、アストンマーティンにとって重要な勝利であり、チームを大変誇りに思っています。本当に嬉しいです。」
ティームは、次のように付け加えています。「ウィナーとしてここに立つことができて、素晴らしい気持ちです。今日の走り見れば分かるように、WECのGTE Proクラスは、世界最高のレースの一つです。ライバルとの差がほとんどなかったので、どのような状況でも戦えるように、2台マシンで戦略を変えてレースに臨み、その戦略が見事に功を奏しました。ハードワークを続けてくれたチームを本当に誇りに思います。彼らが集中力を切らさずに働いてくれたおかげで、マシンのペースを完全にコントロールすることができました。アストンマーティンにとっても素晴らしい結果をもたらすことができました。」
今回は、Vantage GTEがAmクラスで出場資格を獲得してから2回目のレースとなりますが、TF Sportは素晴らしいパフォーマンスを発揮しました。ポールポジションからスタートした真赤のVantage GTE 90号車は、トップの座を一度も譲ることなくチェッカーフラッグを受けました。サリフ・ヨロックは、WECで優勝した最初のトルコ人となりました。その一方で、AMRワークスドライバーのジョニー・アダム(英)とチャーリー・イーストウッド(英)にとっても待望の勝利となりました。TF Sportは、過去2シーズンで、4回の2位表彰台を獲得しています。
アストンマーティン・レーシングのマネージング・ディレクターを務めるジョン・ガウは、次のように述べています。「今回の結果は、Vantage GTEの高いポテンシャルを示す絶好の機会となりました。デンマーク人のコンビは、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。マルコは最初の1時間に圧巻の走りを見せ、ニッキーは雨が降った時にも適切に対応して、スティント全体で際立っていました。また、テクニカルパートナーのミシュランも、新しいタイヤを持ち込んで、ドライ・コンディションでライバルと同等に走れることを示しました。これによって、私たちのマシンの戦闘力の高さを証明することができたと思います。アレックスとマックスも表彰台でフィニッシュして、チームの努力に報いてくれました。今日は、アストンマーティンにとっては本当に素晴らしい一日となりました。GTE Amクラスで待望の勝利を収めたTF Sportを祝福したいと思います。」
WEC第3戦の上海4時間レースは、11月10日に開催されます。