アストンマーティン V12エンジンの歴史

アストンマーティンとV12エンジンの歴史

アストンマーティンにとってV12エンジンは象徴的な存在であり、長年にわたりブランドのフラッグシップモデルに搭載されてきました。

アストンマーティン初のV12エンジンは、1999年に登場したDB7 Vantageに搭載されました。**5.9L V12エンジン(420馬力)**は、フォードと共同開発されたもので、アストンマーティンのスポーツカーに初めて12気筒のパワーユニットが搭載された瞬間でした。これにより、アストンマーティンはV8エンジンの時代から、よりパワフルで滑らかなフィーリングを持つエンジンへと移行しました。

アストンマーティンとコスワースの関係、そしてV12エンジンの歴史

アストンマーティンとコスワースのパートナーシップ

アストンマーティン(Aston Martin)とコスワース(Cosworth)は、イギリスを代表する自動車メーカーとエンジン開発会社であり、高性能エンジン技術において協力関係を築いてきました。特に、ハイパーカー「ヴァルキリー(Valkyrie)」の開発において、コスワースは心臓部となる6.5L自然吸気V12エンジンの設計・製造を担当しました。このエンジンは、F1由来の技術を活用し、最高出力1,000馬力、最高回転数11,100rpmを実現する驚異的な性能を誇ります。

コスワースは、長年にわたりF1をはじめとするモータースポーツの世界で数々の高性能エンジンを生み出しており、アストンマーティンとのコラボレーションにおいても、その卓越したエンジニアリングが発揮されています。ヴァルキリーのエンジンは、軽量化と高出力の両立を実現するために、カーボンファイバー製のエンジンカバーや高精度な製造技術が採用され、まさに「公道を走るF1マシン」とも称されるパフォーマンスを実現しました。

アストンマーティンにとってV12エンジンはブランドの魂であり、高級スポーツカーの象徴であり続けています。1999年のDB7 Vantage以来、V12はGTカーからハイパーカーに至るまで進化を遂げ、近年ではコスワースとのコラボレーションによって、ヴァルキリーのような驚異的なハイパフォーマンスモデルが誕生しました。

環境規制が厳しくなっている現代においても、アストンマーティンは**「V12を守り続ける」**という姿勢を貫いており、これからも伝統と最先端技術を融合させたモデルを生み出していくことでしょう。

2025.02.11