アストンマーティン・レーシングは、新型アストンマーティンVantage GT3を実戦に投入します。このGT3マシンがデビューを飾るのは、10月6日にニュルブルクリンクのノルドシュライフェ(北コース)で開催されるVLN耐久チャンピオンシップの第8戦(4時間耐久レース)です。
このレースは、ルマン24時間レースで3回のクラス優勝を果たしているダレン・ターナー(英国)と、2016年のニュルブルクリンク24時間レースで優勝したマキシム・マルタン(ベルギー)がGT3クラスでチームを組む最初のイベントとなります。
Vantageは、完全なGT3仕様となっていますが、まだ認証を受けていないため、VLN独自のSPXクラスに参戦することになります。そのため、SP9(GT3クラス)にエントリーするマシンよりも長時間のピットストップが義務付けられます。このマシンは、2019年3月に予定している認証取得に向けて開発が進行中です。アストンマーティン・レーシングにとって、このレースに参戦する目的は、もっとも過酷なサーキットで開催されるレースに出ることで、パフォーマンスと信頼性を裏付ける証明となります。
さらに、今回のレースには、ニュルブルクリンクを拠点とするAMRパフォーマンス・センターが製作した2台のVantageも参戦します。これらのマシンも、ワークスドライバーがドライブします。そのうちの1台となるV12 Vantageには、ドイツ人のユルゲン・クロナーとマルコ・ミューラーに加え、ターナーもVantage GT3と交代でステアリングを握ります。もう1台のVantage GT4のドライバーは、アストンマーティン・ラゴンダ・ハイパフォーマンス・テスト・ドライバーのクリス・グッドウィンとアストンマーティン・レーシング・テストおよびリザーブ・ドライバーのロス・ガンです。このマシンは、将来的にVLNシリーズにフル参戦するためのライセンス取得を目指しています。
ターナーは次のようにコメントしています。
「ニュルブルクリンクで、新型Vantage GT3のデビュー戦に参加することができて大変に光栄です。ノルドシュライフェは、GTレーシングにとって聖地のような場所です。この場所で新たなプログラムを開始できることは、本当に特別なことです。このサーキットは、マシンにとって非常に過酷なコースのため、Vantage GT3の限界を探り、さらに改善する絶好の機会となるでしょう。開発プロセスの初期段階に参加することは、いつでも素晴らしい体験となります。このマシンをレースに参戦させるという事実は、我々がこのマシンの卓越したポテンシャルに自信を持っていることの証です。近い将来、このマシンはレースで優勝することになるでしょう。」
マキシム・マルタンは、次のようにコメントしています。
「昨年のレースで、私たちは先代モデルのV12 Vantage GT3を駆って4位に入賞しましたので、ニューマシンに乗るのを今から楽しみにしています。これは、大きな挑戦であり、ニューマシンの開発に参加できることは素晴らしいことです。私たちは、FIA世界耐久選手権のGTEクラスで経験を積んでいますので、このニューマシンがニュルブルクリンクでどのような挙動を示すのか、興味があると同時に期待しています。ノルドシュライフェは、高速コーナーと低速コーナーが混在し、バンプも多いテクニカルなコースです。間違いなく、世界で最も過酷なサーキットといえます。このサーキットを攻略することができれば、どのサーキットでも速く走ることができるでしょう。」
アストンマーティン・レーシング社長のデイビッド・キングは、次のように述べています。
「今回のレースは、新型Vantage GT3の開発にとって必要な次のステップとなります。開発プログラムは順調に進んでおり、2019年シーズンを戦うために、マシンのパフォーマンスを確認する段階に入っています。私たちは、ニュルブルクリンクのノルドシュライフェにおいて、豊富な経験を持っています。このサーキットは、認証の取得に先駆けて、レースという実戦環境でマシンをテストし、戦闘能力に磨きをかけるための絶好の場所です。」