アストンマーティン・レーシングは、米国テキサス州オースティンで開催されたFIA世界耐久選手権(WEC)第6戦サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)6時間レースにおいて、GTE ProクラスとGTE Amクラスの両方で優勝を飾りました。
予選では、ニッキー・ティーム、マルコ・ソーレンセン(共にデンマーク)組の95号車V8 Vantage GTEが、GTE Proクラスのポールポジションを獲得。決勝でもその勢いを維持して、6時間の耐久レースを制しました。2人のドライバーは、ピットストップを行なった周回を除き、各スティントで素晴らしい走りを見せ、レース全体を通じてGTE Proクラスの首位をキープしました。
その結果、95号車は今シーズン初優勝、4度目の表彰台を獲得しました。また、マルコ・ソーレンセンにとっては、WECシリーズ初勝利となりました。
今回の優勝によって、GTE Proドライバーズ・チャンピオンシップで首位に立っている両ドライバーは、2位との差を12ポイントに広げました。さらに、GTマニュファクチャラーズ・タイトルにおいても、アストンマーティン・レーシングが首位をキープし、2位との差を6ポイントとしています。
チェッカーフラッグを受けたティームは、次のようにコメントしています。
「ラップタイムでは大分前からライバルを上回っていたので、そろそろ優勝できるのではないかと思っていました。僕たちは素晴らしいレースをしたし、チームのスタッフも限界を超えてハードワークを続けてくれました。メキシコではミスをしてしまったので、今回のレースでは、ミスをせずに良い走りをすることが重要でした。これでアストンマーティンは2戦連続で優勝し、今日は2つのクラスで勝利を収めることができました。今年に入ってからのマシンの進化は驚くべきものがあり、この勢いをシーズン終了まで続けてゆきたいと思っています。」
スタートを担当したソーレンセンは、次のように付け加えています。
「待ち望んでいた勝利を手にすることができて、ニッキーやチーム・スタッフと一緒に喜んでいます。今回は、常にフェラーリに追いかけられ、特に後半は激しくプッシュされたため、厳しいレース展開となりました。最後のスティントのときに無線が故障したため、非常にストレスが溜まりましたが、僕たちはやるべきことをして、ニッキーが最終のスティントに入ったときには、2位との差をかなり広げることができました。」
ダレン・ターナー(英)、フェルナンド・リース(ブラジル)組の97号車V8 Vantage GTEは、5位でフィニッシュし、アストンマーティン・レーシングのチャンピオンシップ争いにとって貴重な10ポイントをもたらしました。
さらに、GTE Amクラスに参戦しているペドロ・ラミー(ポルトガル)、マティアス・ラウダ(オーストリア)、ポール・ダラ・ラナ(カナダ)組の98号車V8 Vantage GTEも見事なポール・トゥ・ウィンを飾りました。
スタートを担当したラミーは、オープニングラップの混乱の中で、一旦首位を明け渡したものの、直ぐにトップの座を取り戻しました。ラミーと交代した他のドライバーも、一度もオーバーテイクされることなくリードを広げ、2位に1分02秒838の大差をつけて優勝しました。
チェッカーを受けたラウダは、次のように語っています。
「今回は、アストンマーティン・レーシングにとって完璧な週末になりました。2つのクラスでポール・トゥ・ウィンを獲得したのですから、最高の結果と言えるでしょう。熱の影響で非常に厳しいコンディションの中、僕たちは完璧にレースをして、完璧にピットストップをこなしました。ペドロとポールは、素晴らしい走りを見せて、2番手との差を着実に広げてゆきました。それでも、レースでは何が起こるか分かりませんので、ゴールまでミスを犯さず6時間集中することが重要でした。優勝することは決して簡単なことではありませんので、大変嬉しいです。」
チーム代表のポール・ハワースは、今回のレースを総括して、次のように述べています。
「今回は、間違いなく、チームの努力が報われた過去最高のレースの一つと言えるでしょう。チームの全スタッフとパートナーがCOTAに集結し、勝利のために一丸となって戦いました。私たちは、モータースポーツ最強のライバルを相手に、勝利を収めたのです。アストンマーティン・レーシングを誇りに思います。3戦連続のポールポジション獲得、そして前回メキシコでの優勝に続き、今回はProおよびAmクラスでダブル・ウィンを飾ることができました。チームは、戦いを重ねるごとに強くなっています。今後は、シーズン全体の目標により大きな焦点を当てて戦ってゆくつもりです。」
FIA世界耐久選手権(WEC)第7戦の6時間レースは、10月16日(日)に日本の富士スピードウェイで開催されます。アストンマーティン・レーシングは、メキシコとオースティンに続き、富士で3連勝することを目指しています。