ジャガー・ランドローバー・クラシックは、ジャガーを代表するスポーツカーである「E-TYPE」電動パワーユニットを組み合わせた「E-TYPE ZERO」を製作し、ジャガー・ランドローバーがロンドンで初開催する「Tech Fest 2017」(現地時間9月8日から一般公開)で初公開します。なお、このモデルは、「E-TYPE」誕生の地からほど近いコベントリーにあるジャガー・ランドローバー・クラシック・ワークスでつくられました。
ジャガー・ランドローバー・クラシックのディレクターを務めるティム・ハニングは次のように語っています。「『E-TYPE ZERO』は、『E-TYPE』が誇るダイナミックな走りを継承しながら、電動化することでパフォーマンスをさらに向上させています。このユニークな組み合わせによって、息をのむようなドライビング・エクスペリエンスを提供します。
私たちが『E-TYPE ZERO』を製作する目的は、将来を見据えたクラシックカーを提示することです。このコンセプトモデルを市場に提案し、お客様がどのような反応をされるのかが楽しみです。」
ジャガー「E-TYPE ZERO」には、「E-TYPE」のドライビングフィールと美しいスタイリングに、並外れたパフォーマンスが備わります。具体的には、0-100km/h(62mph)加速はわずか5.5秒で、オリジナルの「E-TYPE Series 1」と比較して約1秒も速くなっています。
ティム・ハニングは続けて次のようにコメントしています。
「『E-TYPE ZERO』の新しい電動パワートレインと、オリジナル『E-TYPE』のダイナミックなセットアップをシームレスに組み合わせるために、車両の出力を制限しています。最適なドライビング・エクスペリエンスを実現できたと自負しています。」
「Tech Fest 2017」で公開する「E-TYPE ZERO」は、「E-TYPE Series 1 Roadster」をレストアしたものです。21世紀の最新パワートレインを搭載し、計測機器とダッシュボードを変更したことを除いては、オリジナル仕様を完全に再現しています。また、変更点に関してもオリジナルの「E-TYPE」からインスピレーションを得ており、例えば、エネルギー効率を考慮してLEDヘッドライトを使用していますが、このスタイリング・テーマはオリジナルのものを受け継いでいます。
「E-TYPE ZERO」のために開発した電動パワートレイン
「E-TYPE ZERO」のために、出力220kWの電動パワートレインを特別に開発しており、リチウムイオン・バッテリー・パックは、オリジナルの「E-TYPE」に使用していた6気筒のXKエンジンと同じ寸法で、かつ重量もほぼ同じにしています。電動パワートレインは、XKエンジンとまったく同じ場所に配置できるようエキスパートによって開発されており、電動モーター(および減速ギア)もバッテリー・パックの真後ろに置き、「E-TYPE」のギアボックスと同じ場所になるようにしています。そして新しいプロペラシャフトが、キャリーオーバーされたディファレンシャルとファイナル・ドライブに電力を送る構造になっており、総重量はオリジナルの「E-TYPE」よりも46kg軽くなっています。
現行のガソリン・エンジンやトランスミッションと同じの重量・寸法を持つ電動パワートレインを使用していることから、サスペンションやブレーキなどの車体の基本構造を変更する必要がありません。そのため、電動パワートレインの統合と認証取得がシンプルになります。さらに前後重量配分も変わらず、オリジナルの「E-TYPE」のような走りとハンドリング、乗り心地、ブレーキングが体験できます。
6気筒のXKエンジンは、1949年から1992年まで製造していた「E-TYPE」、「XK120」、「Mark II」、「XJ6」など、当時のジャガーを象徴する大半のモデルに採用していたため、これらの車両すべてに、新しい電動パワートレインを組み込むことも可能です。
ティム・ハニングは次のようにコメントしています。
「新しい電動パワートレインを既存の『E-TYPE』の構造に統合させているので、オリジナルのエンジンをいつでも取り付け直すことができます。このことは、ジャガーのDNAを忠実に継承し続けることができ、当社にとってとても重要なことだと捉えています。このテクノロジーを用いて、XKエンジン搭載のクラシック・ジャガーを生まれ変わらせることができるのです。」
世界で最も美しい車「E-TYPE」
1961年に発表した「E-TYPE」は、時代を経てもなお、最も美しい自動車としてたびたび選出されており、イタリアの自動車メーカー、フェラーリの創始者エンツォ・フェラーリ氏からも「世界で最も美しい車」と称賛さました。
「E-TYPE ZERO」のユニークな電動パワートレインは、ジャガー・ランドローバー・クラシックからの詳細なブリーフィングをもとに、電動パワートレインのスペシャリストがジャガー・ランドローバーのエンジニアと協力して開発しており、今後発売予定の、ジャガー・ランドローバー初のエレクトリック・パフォーマンスSUV「I-PACE」のテクノロジーやコンポーネントも取り入れています。
「E-TYPE ZERO」は、軽量化と優れたエアロダイナミクスによって270km(約170マイル)という実用的な航続距離を実現し、40kWhのバッテリーは家庭用電源で一晩のうちに充電できます(電源に応じて通常6~7時間)。
「E-TYPE ZERO」を初披露した「Tech Fest 2017」は、ロンドンにある国際的に有名なセントラル・セント・マーチンズ・カレッジで開催しており、9月8日~10日は一般にも公開しています。
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